外国で外国人として暮らすことのメリット
外国で外国人として過ごすことは、かなりの不自由を強いられる。例えば、役所で手続きを行うこと一つをとっても大変だ。仮に、英語が通じる国であれば、ある程度英語を話せる人にとってはいいだろう。しかし、非英語圏の国では、役所の窓口の人が英語を話せるとは限らない。
旅行で訪れることと、実際に住む場合では、やはりその国に持つ印象は違ってくる。観光地では英語を話せる人がどの国でもそれなりにいるが、役所や暮らすためのインフラを整える段階では、英語を話せない人と出くわす確率は高いであろう。
それでも、私は外国に自分が外人となって生活することをおすすめしたい。
メリットその1:自分のプライドをデトックス
日本で長いこと暮らし、それなりに社会が分かってくると、社会常識や慣習に意識がいとらわれる。そして、それらから逸脱して人を見ると、いやな気持ちになる。また、自分自身にもいつしか(だいたい、大学生後半から社会人になると)、それなりにプライドのようなものが芽生えてきて、人から見下されたりするのを極端にきらうようになる(まさに自分がそうでした)。
では、そんな普通の大人の日本人が外国に住むとどうなるか。まず、自分のプライドなんてまったく意味をなさない(役に立たない)ことにすぐ気づく。まず、英語が下手で、上手く通じなくて不便な思いをしたり、恥ずかしい思いをする。それは、ネイティブでいえば中学生レベル以下の英会話しかできなければ、下に見られるのは当然だ。
でも、そんな下に見られることも次第に慣れてくる。少し想像すれば分かるが、日本語のつたない外国人が、がんばって日本語を話したところで、中学生以下どころか小学生低学年ぐらいだろう。そんな姿をみれば、下にみるというよりは、かわいらしく見えるといった方が適切かもしれない。つまり、好意的に思ってくれる人もそれなりにいる(と信じたい)。
もちろん、日本語と英語、アメリカ人と日本人だと、まったく感じ方は違うだろう。では、フランス人なら、インド人なら、ブラジル人なら、と想像を膨らませ行き着く答えは、人にどう思われているかなんて分からないし、気にする必要もない、ということだろう。
メリット2:小さな障害を乗り越えることで、たくさんの喜びに出会える
他のいいところは、現地の言葉を思えることや、社会の仕組みを理解して、実施にいろいろな場面に出会い、それを乗り越えていくだけでも楽しい。例えば、郵便局で郵便物を送る、役所で住民登録をする、子供を学校に通わせる。これらのいろいろな”初体験”は、間違いなくあなたに充実感をもたらします(失敗した時は挫折感を味わってください)。
上の二点だけでも私は海外で生活することの大きなメリットだと思っています。日本に帰った時に、日本で生活するのってなんて楽なんだ、もっと負荷をかけねば!って思うかもしれません。