【ブックレビュー】高城剛 著『2035年の世界』を読んで、脳が刺激されたという話
久しぶりに脳が刺激を受ける感じ、と表現したらいいでしょうか。
高城剛さんの『2035年の世界』を今更ながら読んで、素直に面白かったのでレビューしたいと思います。
未来を楽しむこと、想像することを長らくしていなかったため、SF映画を楽しむ子供のようにこの本は一気に読み進められました。
SFとは、今の時点ではフィクションでしかないかもしれないが、5年後、10年後、20年後と未来に目を向ければ、それはフィクションではなくなっているかも知れない。読みながらそんな感覚に陥りました。
イノベーションとか科学とかは、どうしても現実離れした、とらえどころのないものに見えたりもします。例えば、遺伝子操作や量子コンピュータとかって、すごく日常から遠いもののように見えます。
が、実は世界のどこかで、それらを日夜研究し、現実の世界にインパクトを与えようとしている人がいるということに、あらためて気付かされました。
もちろん自分がそんなイノベーティブなものを作れたらそれはすごいことですが、それよりもそんなイノベーティブなものをどう利用するか、ということに我々一般ピーポーは頭を使った方がいいような気がします。方法のイノベーションを目指そうというのにちょっと近いかもしれません。
こういう未来の予想やビジョンをしめす本をもっと読み進めて、自分の中にロードマップのようなものを作ることは、きっとこれからの人生で有益なものになるだろうなと思いました。例えば、自動運転が実現した場合の通勤スタイル、介護ロボットが実用化されたあとの親の介護のあり方、etc.
高城氏の本だけでなく、他の未来について考えさせる本も読みたくなりました。
この本を読んでももう一つ考えさせられたのが、テクノロジーに対する感度です。日々、当たり前のように使っているスマホは5年前とは考えられないぐらいに進化しています。知らず知らずのうちに、わたしたちはイノベーションを恩恵を受けているのです。
こういう目には見えない進歩をどうにか見えるかすることは、かなり意味があるように思えるのです。GDPのような経済全体をみる指標も大事ですが、イノベーションによる恩恵、ベネフィット、バリューを正しく把握しないと、イノベーションを殺すような方向へ誤って進んでしまったりもしかねません。
イノベーションは既得権益とぶつかり合うし、既存のルールからはみ出すものも多いと思います。それでも、それを恐れていてはいけないと思いました。リスクをとった先人たちのおかげで、現在があるのですから。