「思考のダイエット」(BY 佐野研二郎)を読んで
「思考のダイエット」佐野研二郎
アートディレクタとしての佐野さんを知っていたが、本を出していることを知らなかった。しかし、本のカバーのデザインやそのタイトルに引かれ読んでみた。
佐野さんの仕事術は雑誌で読んだことがあるが、ユニークな仕事の進め方をする人だと思っていたが、この本にはそんなユニークさとボールドさが詰まっていた。
まず、タイトルからも分かるように、仕事には多くのムダがつまっていることを指摘している。私も強く共感できる日本の企業にありがちなムダを取り除き、本質にせまる仕事の進め方はアートディレクターという仕事でなくても応用できるであろう。
いくつか、とても共感できるトピックがあったので、上げてみたい。
#妄想力と行動力 8割のアクションと2割のアイデア。本当に必要なのは、実現力。
佐野さんがまだ無名時代、自分で作りたいものを自ら企画し、大ヒット表品にまで持っていった話。企画までは自分一人で完結する話であるが、それを商品化するためには費用も必要になる。まずは、自腹で商品化したらしい。最初はロット数が少なく、高価な商品になってしまい、売れ行きは芳しくなかった。しかし、ここで諦めないのがキモ。自らFranfranに勤める知り合いにコンタクトをとり、商品化を打診する。しかし、ここでも商品化のための壁にぶち当たることになるが、それを解決することでよりよい製品になっていく。それが結果として、大ヒット商品になった。
#リミット。タイムリミットは10−10。能率は人生を3倍豊かにする。
ムダをそぐ。効率化することは、結果としてオフの時間を捻出し、人生を楽しむことにつなげる。デザイン業界としてはめずらしく、遅くとも10時には仕事をやめる。それが、次の日のコンディションにも繋がるし、趣味や家族との時間から新たなインプットを得られる。それを仕事活かすことで、掛け算式に仕事の成果が上がるというもの。さらに、タイムリミットをあえて決めることで、仕事の濃度をあげる。ダラダラ会議やボーっとする時間などない。
#フライング
仕事はフライング気味に始める。そうすることで、後の仕事の質を向上させることができる。例えば、クライアントとのオリエンテーション1日前にフライング気味で仕事を始めることで、打ち合わせでの質問の質も上がる。作品を見直す機会も必然的に上がる。つまり、早めに取り掛かることが重要である。
#少人数
少人数でやるほうが、コストもかからないし、パフォーマンスもあがる。その場合は、担当を明確化し、目的意識を持って有機的に行動することが必要となる。
#速決
判断スピードを早くする。そうすることで、関係者の仕事を進めることができる。間違っていたらすぐ戻ればよい。
#絞る。レコメンドを付け、1本に絞る。ジャッジする目を養え。
これはいわゆる仮説検証がたで仕事を進めることと同じ。つまりスタンを取り、検証すべき仮説を明確にする。仮説が間違っていたら、仮説を作り直し、再度検証する。そうすることで効率的に解にたどり着ける。
#図解。難しいことは1枚の絵にする。
テキストで説得するより、絵で説明する方が、一発で分かることがある。
#アイデアは捨てるな。
自分でもアイデアを思いついて、そのままほったらかしにしていることがあるが、このメッセージは、そういう埋もれたいいアイデアは時間がたってからでも実現させる価値があるといっている。
#フロー
1.集める
2.削ぎ落とす
3.鍛える
4.続ける
5.感性